遺品整理

遺品整理を業者まかせにしてはいけません~親の遺品を悪質業者から守る

最近は、遺品整理業者が繁盛しているようです。

なぜなら、親の遺品整理を自分たちでやらずに、業者まかせにする人たちが増えているからです。

確かに、都会に住んでいる人が地方にある親の実家の遺品整理をするというのは大変なことかも知れません。

また、ずっと親と仲が悪かったことから、自分では遺品整理などやりたくないという人もいることでしょう。

しかし、遺品整理業者に依頼をする人が増えるのと同時に、業者との間のトラブルも多くなっているようです。

法外な追加料金をふっかけてきたり、高額な遺品をネコババされたりという被害も決して少なくないようです。

ここでは、遺品整理業者を利用するにあたって注意すべき点などについて書いてみたいと思います。

遺品整理業者というのはどんなことをしてくれるのでしょうか?

遺品整理業者といっても、具体的にどのようなことをしてくれるのかピンとこない人も多いことでしょう。

実際に遺品整理業者がやってくれる主な仕事内容を紹介してみたいと思います。

貴重品と処分品を仕分けする

遺品のなかには、価値がなくてもう使うことのない処分品と、価値があってまだ使える物が混在しています。

遺品の中から、高額な時計や現金などが出て来ることもあります。

そういった価値のあるものとないものとを、しっかりと仕分けすることは、遺品整理業者の大切な仕事になります。

使えないものをゴミとして廃棄処分をする

仕分けした遺品のなかで、価値がなくて使えないものはまとめてトラックに積んで処分場に持って行きます。

ゴミを処分場まで持って行くだけなので大した仕事ではないと思われるかも知れませんが、そう簡単ではありません。

なぜなら、一般家庭のゴミを処分するのは、「一般廃棄物収集運搬」の許可を持つ業者しか行うことができないからです。

そして、この「一般廃棄物収集運搬」の許可を持つのは、各自治体で限られた業者だけとなっています。

「一般廃棄物収集運搬」の許可をあらたに取得するのは非常に困難であるため、多くの遺品整理業者はすでに許可を取っている業者と提携したりして不用品を廃棄処分しているというのが実情です。

遺品の供養などを行ってくれる業者もいます

遺品をそのままただのゴミとして処分してしまうのは、なんとなく気が引けるという人もいるでしょう。

たとえば、愛着のあった趣味の道具や、古い写真などです。

また、遺品のなかには仏壇や神棚といったものがあるかも知れません。

そういった、ゴミとして処分してしまうことに抵抗のある遺品に対して、事前に供養を行ってから処分をしてくれる業者もあるようです。

ただ、供養といっても個別に僧侶を呼んで対応してくれるというわけではなく、他の家族の遺品と一緒に合同で供養をしてもらう形になります。

孤独死をした人の部屋の特殊清掃や原状回復も遺品整理業者が行います

孤独死をしてから、しばらくたったあとに発見されたようなケースだと、死体が腐乱したりして部屋はかなり悲惨な状況になっているのが普通です。

部屋全体には強烈なニオイが充満して、一般の人がとても立ち入りできるような状態ではないことも少なくありません。

そういった部屋の清掃や脱臭などの作業を特殊清掃といいますが、遺品整理業者が対応してくれることが多いようです。

また、孤独死をした部屋が借家だった場合には、そのままの状態で大家さんに引き渡すわけにはいきませんので、壁紙や畳の張り替え作業などが必要になってきます。

こういった作業を原状回復といいますが、それらも含めて遺品整理業者が仕事を請け負っていることが多いです。

悪質な遺品整理業者に騙されないために注意をすべきこと

遺品整理業者といっても、さまざまな業者がいます。

お金を払えば何でもやってくれると安易に考えていると、悪質な遺品整理業者においしい汁を吸われてしまうことにもなりかねません。

ここでは、悪質な遺品整理業者に騙されないために、知っておいてほしい点について解説をしてみたいと思います。

業者が遺品整理をするときには可能な限り立ち会うべきです

先ほども書きましたように、遺品整理業者は遺品の中から価値のあるものとないものを区別する仕分けという作業を行います。

そして、価値のあるものが出てきたときには、依頼主に報告して渡すことになります。

しかし、遺品整理の現場に依頼主が立ち会っていないと、価値のあるものがあったのかどうかは業者にしかわかりませんので、すべての判断を業者にゆだねることになります。

つまり、どんなに高価な遺品が出てきたとしても、「何もありませんでした」と業者から報告されてしまう可能性があるということです。

実際に、一人暮らしをしていたおばあさんの部屋の引き出しから、封筒に入った数千万円の札束が出てきたという事例もあります。

また、金の延べ棒などが出てくることも普通にあるようです。

遺品整理業者の作業員も人間ですから、そういったものを見つけてしまったときに、どんな気持ちになるかは容易に想像がつくことでしょう。

依頼者が立ち会っていなければ、それらを業者がネコババしてしまって、価値のあるものは何もありませんでしたと報告する可能性は決して低くはないと思います。

そういったややこしいことにならないためにも、出来る限り遺品整理には立ち会いをした方が無難であるということがいえます。

「うちの親がまともな財産を残しているはずがない」と思う人もいるかも知れませんが、遺品整理のときに数千万円の札束や金の延べ棒が出てきた人の遺族も、みんなそう思っていたのです。

万が一ということを考えて、遺品整理は業者まかせにしないで、可能な限り立ち会うようにしましょう。

最初の見積り金額を安くしておいてあとから追加で請求する悪徳業者

悪質な遺品整理業者でよくあるパターンが、最初に安い見積もりで受注をしたあと、作業が終わってから「思った以上にゴミが多くて処分費がかかった」などといって、高額が追加費用を請求するというものです。

他の業者よりも見積もり金額が安いことをアピールして、受注をしたあとにその何倍もの追加料金をふっかけてくるわけです。

そういったトラブルにならないためにも、遺品整理業者から見積もりをもらったら必ず内訳を確認して、どこからどこまでが見積もり金額に含まれるのかをしっかりと確認してから発注をするようにしましょう。

もちろん、遺品整理業者の多くは良心的に仕事をしてくれますが、なかにはそういった悪質な業者もいるということを頭に入れておくようにしましょう。

遺品を不法投棄してしまう違法業者もいます

遺品整理をあきらかに相場よりも安い金額で請け負う業者のなかには、価値のあるものとないものとの仕分けをほとんどせずに、部屋のなかにあるものをすべてゴミとして処分してしまうような業者もいます

さらに悪質な業者になると、それらの遺品を適正に処分せずに、不法投棄してしまったりするようなところもあります。

先ほども書きましたように、一般家庭からでるゴミを処分するのは「一般廃棄物収集運搬」の許可を受けた業者でなければできません。

多くの遺品整理業者は「一般廃棄物収集運搬」の許可を受けていませんので、すでに許可を受けている業者と提携しているのが普通です。

しかし、そういった「一般廃棄物収集運搬」の許可を受けた業者に処分を依頼するとお金がかかってしまいますので、遺品整理業者のなかには、遺品を不法投棄してしまうような悪質なところもあるわけです。

自分の親が生前に使っていた遺品が、空き地などに不法投棄されてしまうなんて、本当に悲しいことです。

遺品整理業者に依頼するときは、どういったルートで遺品が処分されるのかを、しっかりと確認するようにしましょう。

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