散骨と樹木葬

散骨をするときに失敗しない業者選びのコツ~悪質業者にご用心

最近は、亡くなったあとにお墓を建てることをせずに、散骨という供養のスタイルを選択する人が増えてきました。

故人が散骨を希望する旨のことを遺言書やエンディングノートに残してあったり、遺族の経済的理由でお墓を建てることが困難だったりなど、理由はさまざまです。

そういったニーズの高まりを受けて、散骨を行う業者の数も増えてきましたが、なかには悪質な業者も存在するようです。

ここでは、これから散骨を予定している人が、業者選びで失敗しないために、悪質業者の見分け方などを紹介してみたいと思います。

悪質な散骨業者の手口とは?

散骨を予定している人にとって一番不安なのは、これから依頼するところが悪質業者ではないのかという部分だと思います。

悪質な散骨業者の手口というのは、具体的にどういったものがあるのでしょうか?

遺骨の郵送先がバーチャルオフィスになっている散骨業者

遺骨を郵送するだけで格安な料金で散骨をしてくれる業者のなかには、正式な事務所を構えずにレンタルオフィスを利用しているようなところがあります。

バーチャルオフィスというのは、電話番号と住所をレンタルする業者のことです。

そのため、実際の散骨業者はその住所にはおらず、バーチャルオフィスが電話の受け答えや郵便物の受け取りを代行しています。

そこの住所に会社としての実態はありませんので、何かあったときに業者とコンタクトを取ることができなくなってしまう可能性があることになります。

大切な遺骨を散骨してもらうわけですから、そういったバーチャルオフィスを利用した実態のない散骨業者に依頼をするのは慎重になった方がいいでしょう。

散骨を無料で行いますという募集をかけている業者

散骨業者のなかには、無料で散骨を行うことをアピールしているところがあります。

無料で散骨をしてくれるというのは、少しでも費用をおさえたいと考えている遺族にとっては魅力的に感じるに違いありません。

しかし、普通に考えてみれば散骨を完全に無料で行ってくれるというのは、おかしいと気がつくはずです。

散骨をするためには、ボートで沖合まで行かなければなりませんから、人件費やボートの費用は普通にかかっているはずです。

無料で散骨を請け負って、そういった費用をどうやってまかなうのでしょうか?

実は、無料で散骨を行うという触れ込みで募集をしている業者の多くは、「寄付」や「御心付け」といった名目でお金を要求してきます。

つまり、無料をアピールしておきながら、実際には無料ではないわけです。

結果的に、普通に有料の散骨業者に依頼をした方が安くなることも多いので、無料をアピールする業者や団体には注意をした方がいいでしょう。

相場にくらべて料金は安いけれど手元供養品を高値で売りつける業者

相場よりもあきらかに安い散骨業者も注意が必要です。

なぜなら、散骨を行う費用そのものは安くても、手元に残した遺骨を供養するためのペンダントや壺などを高額で売りつける悪質な業者もいるからです。

散骨の料金が安くても、結局はそういった手元供養品に利益を上乗せしているわけです。

安い料金に引かれて申し込みをしたのに、結果的に高い散骨費用となってしまわないために、相場よりもあきらかに安い業者には注意が必要です。

個人で経営している会社なのに生前予約を受け付けている業者

天涯孤独で身寄りのない方の場合、自分が亡くなったあとに散骨をしてくれるように、業者に生前予約をするケースも多いと思います。

実際にこういった生前予約を受け付けている散骨業者も多いのですが、業者選びは慎重に行う必要があります。

特に、社長が1人だけで運営しているような個人経営の業者に、生前予約などはしてはいけません。

散骨の生前予約というのは、自分が亡くなったあとに確実に散骨を行ってくれることを業者と約束をするものです。

社長が1人だけでやっているような会社の場合、たとえばその社長が生前予約をした人よりも先に亡くなってしまった場合は、自分の散骨を実行してくれる人がいなくなってしまいます。

普通に散骨をしてもらうだけならば、個人で経営している業者であっても良心的なところは少なくありませんが、生前予約をする場合にはなるべく大手の業者に依頼したほうが無難といえるでしょう。

個人経営なのに、散骨の生前予約をしている業者は、要注意であるということを頭に入れておくようにしましょう。

遺族から預かった遺骨を不法投棄してしまう悪徳業者

海洋散骨をすることを前提で遺族から預かった遺骨を、不法投棄してしまうような悪質極まりない業者もなかにはいます。

お金を受け取っておきながら、遺骨を海まで運ぶことなしに、山林などに捨ててしまうわけです。

遺族も一緒にボートに乗り込む散骨プランであればこういった不正は起こりませんが、遺骨だけを預けてすべてを業者にお任せする格安な散骨代行プランの場合には、こういった悪質業者の被害にあう可能性が高くなります。

悪質な散骨業者を見分けるにはどうすればいいか?

ここまで紹介しましたように、散骨を行ってくれる業者が増えている一方で、悪質な業者も少なからず存在します。

これから散骨を行う予定の人が、悪質業者の餌食にならないためには、どういった点に注意をしたらいいのかについて書いてみたいと思います。

業者に直接会って遺骨を渡すのが基本です

散骨業者のなかには、電話番号と住所だけを借りている、いわゆるバーチャルオフィスを使って営業をしているような業者もいます。

大切な故人の遺骨を、そういった実態のない会社に預けてしまうことのないようにするには、やはり業者のところまで直接訪問をして、遺骨を手渡しするのが基本になります。

忙しい人にとっては、遺骨を郵送するだけで散骨を受け付けてくれる業者は魅力的に感じるでしょうが、あまり安易な方法には頼らない方がいいと思います。

どうしても郵送で遺骨を送りたい場合には、Googleのストリートビューなどを使って、本当にその場所に業者の建物があるのかどうかを確認するといいでしょう。

また、指定された住所をGoogleで検索したときに、バーチャルオフィスの住所が検索結果として表示されないかといったことも、事前に確認をしておくといいでしょう。

しっかりとしたホームページを持っている業者を選ぶ

散骨業者を選ぶときには、ホームページがしっかりと作り込まれているかどうかを確認するといいでしょう。

個人が片手間でやっているような散骨業者の場合には、ホームページがみすぼらしかったり、ホームページそのものがなかったりします。

また、ホームページを見るときには、「特定商取引法に基づく表記」をしっかりと確認することも忘れないようにしましょう。

特定商取引法に基づく表記をみて、運営者が株式会社や社団法人、NPO法人といった、法人形式になっておらず、個人でやっているようなところは避けるようにした方がいいでしょう。

連絡先も、電話番号が固定電話ではなく携帯の番号であったり、メールアドレスが独自ドメインではなくYahooメールやGメールといったフリーメールになっていたりする業者も避けるようにした方が無難です。

相場にくらべて極端に安い業者には依頼をしない方が無難です

先にも書きましたように、散骨といっても業者の人件費やボートの費用は必ず発生することになります。

相場にくらべてあきらかに安すぎであったり、無料で散骨を行うことをアピールしていたりするような業者は避けた方が無難といえます。

散骨の相場としては、ボートに乗船せずに業者にすべてをお任せしてしまう散骨代行の場合で3万円~5万円程度、他の家族と一緒にボートに乗船する合同散骨の場合で10万円前後、自分の親族だけが乗船する単独散骨の場合で20万円~30万円程度になります。

これらの相場よりもあきらかに安い料金を提示してくる業者の場合、なぜそれほど安い金額でできるのかという点や、あとから別途で費用が発生することはないのかという点などを、しっかりと確認するようにした方がいいでしょう。

また、業者にすべてをお任せする散骨代行を依頼する場合には、確実に自分が依頼した遺骨が散骨されたことを確認するために、後日に証拠写真を届けてくれるような業者を選ぶようにしましょう。