生前整理

生前整理と遺品整理の違いって?

生前整理と遺品整理の違いって?

生前整理という言葉を最近よく耳にする方も多いかと思います。生前と遺品という言葉が示す通り、亡くなってしまう前と後で行うというイメージは伝わっているでしょう。

以前より遺品整理という言葉はあったものの、どちらも整理という言葉がついているため、具体的にどういった違いがあるのか良く理解出来ていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこでこの記事では、生前整理と遺品整理の違いについてご紹介した上で、作業に取り掛かる前に抑えておきたい3つのポイントをご紹介します。

生前整理と遺品整理は全く別のもの

言葉こそ似通っているものの、生前整理と遺品整理は全くの別物なのをご存知でしょうか?まずはどういった違いがあるのかを見ていきましょう。

生前整理とは?

生前整理とは、自身が亡くなってしまう前に、不要品の処分など周辺の整理を行うことです。自身の死後、家族に掛ける負担を事前に少なくしておくというのが一番の目的でしょう。しかし他にも、長年積み重ねてきた生活を整理する事で、今後をより過ごしやすくするメリットも有り、新たな人生が始まるきっかけにもなると言われています。

生前整理は始めるべき時期など特に決まっていませんが、加齢により肉体が衰えてしまったり、病気により判断力が鈍くなってしまったりした後では生前整理がしづらくなってしまいます。そのため、介護施設への入所や、病気に掛かった事をきっかけに生前整理に取り組む方も多いようです。

生前整理では御本人が整理を行うため、「何が、何処にあるのか」を把握しつつ作業を進めることが出来ます。その一方で、作業量が多く重労働になるため、生前整理の業者に代理で依頼する方も多くいらっしゃいます。

遺品整理とは?

遺品整理とは、故人が亡くなられた後、遺族の方が遺された遺品の整理を行うことです。複雑な心境で遺品整理をするのは心苦しいものがありますが、それでも故人が残した家具や不要品、思い出の品などを仕分ける必要があります。

遺品整理を行う時期は主に親族の集まる法事のタイミングが一般的です。中でも四十九日を過ぎてから遺品整理を行うのが最もポピュラーな時期でしょう。しかし、故人が賃貸物件に住んでいた場合では契約上の観点から死後14日以内に退去を求められてしまったり、家賃が発生してしまったりするケースが存在します。そのため、精神的に余裕が出来た段階で遺品整理に取り組む方も多くいらっしゃるようです。

しかし、遺品整理では「何が、何処にあるのか」をうまく把握できず、作業が難航してしまう傾向にあります。また、遺品整理では故人との思い出の品と直に触れ合うため、「精神的に厳しい」という方も多いのです。そのため、不要品の処分と故人の供養を専門の遺品整理業者に依頼する方もいらっしゃいます。

生前整理と遺品整理の違いは、何のために誰が行うか

生前整理とは、家族のために、そして自分のために自身で身の回りを整理すること。遺品整理とは、遺族のために、親族が遺品を整理することです。

生前整理はあくまで肉体的に疲れるだけで、不要品を処分する事で心が軽くなるとも言われています。しかし、遺品整理は心身ともに疲れてしまう行為で、故人の思い出の品に触れる事でより気持ちが沈んでしまうという遺族の方も。生前整理と遺品整理はこの気持ちの部分に最も違いが現れると言えるでしょう。

生前整理と遺品整理を始める前に!知っておきたい3つのポイント

生前整理と遺品整理に違いがあるとご説明しましたが、この2つには不要品の処分という共通点があります。そこで、不要品を処分する上で知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

1事前に県や市、自治体のルールを把握しておく

生前整理は自身が住んでいる環境で不要品の処分をする事ができるため、自治体のルールにも精通しているでしょう。しかし、遺品整理では遺族が遠く離れた地域に住んでいる事も多く、県や自治体のルールの違いを把握していないというケースも多く見受けられます。

県や自治体によって粗大ごみのルールが違い、市によっては指定のゴミ袋も存在します。遺品整理が終わり「不要品を処分しよう!」という段階になってから二度手間になってしまう事も想定されるため、事前に自治体や県、市のゴミ捨てルールの違いを把握しておきましょう。

2整理を始める場所を決める

生前整理や遺品整理では、はじめに整理する場所を決める事が重要です。通常の掃除とは違い、生前整理や遺品整理では「これはまだ使うのか?使わないのか?」という判断から、不要品の処分まで工程があります。

そのため、「部屋全体を整理しよう!」と大雑把に範囲を考えてしまうと、思ったよりも作業が進まずに次の日へ持ち越してしまうことも。複数人で協力して作業を進めることが出来るならば話は別ですが、作業を急ぐあまり必要なものや、資産価値のあるものを誤って廃棄してしまう恐れもあります。

そのため、丁寧に作業を進めるためにも「今日は寝室」「明日は居間の半分」というのように、始める場所を決めておきましょう。

3中の物は一つ一つ丁寧に調べる

生前整理と遺品整理では「必要なものと不要なもの」を分類します。「この服はもう着ない、このタンスはもう要らない」と判断していくのは良いものの、気付かないうちに貴重品が紛れ込んでいるかもしれません。衣服のポケットに紙幣や実印のはんこ、タンスの奥に資産価値のある証券など、処分してしまったことに気付いた時のショックは計り知れないでしょう。

万が一にも誤って資産価値のあるものを処分してしまわないよう、衣服はポケット一つ一つを丁寧に、タンスは一つ一つを奥までしっかりとチェックするようにしましょう。この作業をするかしないかの違いで、大きな損をしてしまうかもしれません。

【まとめ】

生前整理と遺品整理の違いについてご紹介しましたが、実際にはそこまで大きな違いがないということをご理解頂けたかと思います。どちらも同じ整理内容で、存命中に自身で行うか、亡くなった後に遺族が行うかの違いになっています。

しかし、遺される家族への負担を軽減するためにも生前整理は必要不可欠な行動です。生前整理をする事で資産相続の手続きもやりやすくなるため、万が一の際に遺族同士の争いを防ぐことが出来るようになります。

自身が亡くなってしまった後の事を考えどうしようかと憂いている場合は、一度生前整理に取り組んでみてはいかがでしょうか?