生前整理

生前整理はこうすればうまく行く!その具体的な進め方とは

生前整理はこうすればうまく行く!その具体的な進め方とは

人生の終末期を迎える前に、自分の死後を想定して早い時期から「生前整理」を行うことが、一般的になりつつあります。ただ、生前整理をどのように実施すればよいかよくわからないという人もいるかもしれません。そこで、この記事では生前整理の具体的な進め方について解説します。

生前整理を実践する利点

人は誰しも、いずれは死んでしまいますが、終末期を迎えたときに後悔しないため、また、それまでの人生を有意義なものにするための準備をしたいという人が、近年増えてきています。この準備は「終活」と呼ばれていますが、終活の一貫として「生前整理」を行うのが一般的です。

終活のために生前整理を実践する利点は、大きく「残された家族への負担軽減」と「終末期までの人生を有意義なものにできる」の2つが考えられます。

残された家族への負担軽減

生前整理は、自分の死後に「残された家族が自分に関係のあるさまざまな事柄や品々の処理や整理に追われてかなりの負担を強いられる」ことを避けたいという切実な思いが動機となって実施される場合がほとんどです。

人は生きている間に、多くの社会的な関係性を築きながら暮らして行きます。結果として、国籍や戸籍、住居、仕事、家庭などを持ち、保険に入り税金を払うことになります。しかし、死んでしまうとそのような社会的な関係性を解除しなければならず、それに伴ったもろもろの手続きが必要になってきます。

本人は死んでいるので、そのような煩雑な作業は残された家族が行うことになります。ところが、そうした作業に必要な情報やデーターは死んだ本人しか分からないような場所にある場合、それらを探すだけでかなりの労力を要するでしょう。

残された家族が混乱し大きな負担を背負うことがないように、本人が生きているうちに本人に関係している事柄に関する情報は一元化しておきます。そして、それらの情報の保管場所を家族に伝え、家族が簡単に取り出せるようにするとよいでしょう。

終末期までの人生を有意義なものにできる

人は、単に日常生活を普通に送って行くだけでも家具や衣類、家電製品、日用品、消耗品など、気が付くと身の周りにはさまざまな品々を集めてしまっています。さらに、趣味や嗜好のための品物も買ったりするので、家の中は物で溢れかえってしまう場合もあるかもしれません。

物に執着し縛られた生活は、知らないうちにストレスを増やし精神的に不安定な状況を作り出してしまいます。生前整理は、身の回りの品々を吟味し不要なものを捨てる行為でもあるので、不要なものがなくなり身軽になることでストレスの少ない日常を取り戻し、終末期までの人生を有意義に過ごすことができるでしょう。

生前整理を実践する上で注意すべきポイント

生前整理は、できれば体力があって頭もはっきりしている年齢から始めるとよいでしょう。そして、一度に多くのものを処理しようとしないことです。自分に関する事柄を整理したり、身の回りの品々を処分したりする際に、自分なりの基準を設けてそれに則って粛々と処理して行きましょう。

最初のうちは、自分なりの基準を設定するために少しずつ処理して行きます。身の回りの品々の処分であれば、不用品を「1年以上使わない物」と定義して処分するなどです。

また、「物に執着せず、不要なものは潔く捨てることでストレスが少なく心が軽い状態で生活できる」という「断捨離」の考え方を念頭に、生前整理を実践します。そうすることで、本当に必要と思える物以外は購入しなくなるので、不要な物が増えることがなくなり生前整理を効率よく進めることができるでしょう。

生前整理の具体的な進め方の要領

ここで、生前整理の具体的な進め方の要領について、説明します。

身の回りの品々を要、不要に選別し処理する

生前整理で身の回りの品々を処分する場合、以下のように要、不要を決め、処理するようにします。

  • 日用品の処理
  • 日用品は、現在進行形で使用しているものは残し、現時点で使用していないか将来いつかは使おうと思っているものは潔く捨てましょう。

  • 思い出の品や記念の品の処理
  • 家族にまつわる思い出の品といえばアルバムですが、写真はスキャナーなどでデジタル化してパソコンなどに保存し、原本は処分します。ただし、この作業はかなり時間がかかる可能性があるので、焦らず気長に行うようにしてください。

    また、着物や洋服など亡くなった家族の思い出の品は、かさばるようであれば写真(デジタル)にとって保存し、思いきって現物は処分するというのも一つの手段です。

  • 譲渡の可能性のある物の処理
  • 自分では不要品と思っていても、家族の誰かが形見に欲しいというものがあるかもしれません。ですから、身の回り品の処分は、できるだけ家族も交えて行うことをおすすめします。

    財産や資産価値のあるものはしっかり保管し記録する

    貴金属類や高価な腕時計、絵画、高額な装飾品(骨董品)、家の権利書、有価証券など、財産や資産価値のあるものは、しかるべき保管場所を設け保管します。

    そして、どのようなものがどこに保管されているかという記録をエンディングノートなどにしっかりと残しましょう。

    エンディングノートと保管場所の所在を家族に伝えることもお忘れなく。

    まとめ

    生前整理は根気のいる作業なので、体力があり気力が充実していて頭もはっきりしている時期、できれば壮年のころから実践するとよいでしょう。

    その際、断捨離の考え方を生活に取り入れれば、日頃から不要なものを購入することがなくなるので、経済的にも余裕のある暮らしを送ることができます。断捨離に沿った生前整理を実践することにより、ストレスが少ない生活を終生送ることができるのでおすすめです。