終活

終活での断捨離の方法を解説。穏やかに老後を過ごすために

終活での断捨離の方法を解説。穏やかに老後を過ごすために

終活と聞いて、皆さんはまず何を思い浮かべますか? 遺産相続はもちろん、葬儀の方法やお墓に遺言など、やるべきことはたくさんありますよね。その中でも、自分自身の老後の生活にも関わるのが「断捨離」です。ここでは、終活における断捨離の意味や、正しい断捨離の方法について解説します。

終活での断捨離は、自分と家族両方の負担を減らせる

断捨離は、物への執着から離れ、不要なものを処分して生活の質を高めようという思想・活動です。2010年には流行語にも選ばれました。断捨離は、普段の生活でも大切なことですが、終活においても重要な意味を持っています。終活で断捨離を行うメリットを挙げてみましょう。

遺品整理の負担を軽減できる

家族が亡くなったあと、遺族を待ち受けているのが遺品整理です。貯金や有価証券などの重要なものはもちろん、服・本・家具・食器・家電といった日用品まで、すべての遺品の扱いを決めなければなりません。膨大な量の遺品を仕分け、あるものは保管しあるものは処分する。想像するだけでも大変な仕事ですよね。

でも、事前に断捨離を行えば、遺族の負担を大きく減らすことができます。重要な遺品がどこにあるかわからなかったり、処分していいかどうか判断がつかなかったりする事態もなくせるでしょう。これは、遺品整理を生前に行うということで、「生前整理」とも呼ばれます。

老後の生活の質が高まる

年を取れば、誰でも体力が衰え、以前と同じ家の中でも生活しづらくなります。不用品で家の中があふれかえっていれば、家事や移動に支障をきたすでしょう。まだ元気なうちに断舎離すれば、家の中がすっきりして、老後の生活の質が高まります。趣味の品を思い切って処分する必要もあるかもしれませんね。

人生の終わりに向けて前向きになれる

終活の目的のひとつが、人生の終わりに向けた心の準備です。中でも断捨離は、大切な持ち物を処分することによって、さまざまな気持ちに整理をつけられます。楽しい思い出もつらかった過去も整理して、前向きに老後を過ごしましょう。

終活での断捨離は、持ち物の把握から始めよう

いざ断捨離を始めようとしても、何から手を付けていいのかわからないことはよくあります。ただの大掃除ではないので、ある程度は積極的に処分しなければなりません。終活での断捨離の手順を見ていきましょう。

持ち物を把握する

最初に行うべきなのは、持ち物の全体像の把握です。「今日はこの部屋を断舎離する!」と決めたら、広いスペースを用意して、部屋の中のものをすべて出しましょう。大まかな種類ごとに分けて並べれば、何をどれだけ持っているのかがひと目でわかります。あとは、必要なものと不用品を仕分けていくだけです。

使っていないものを処分する

真っ先に断捨離の対象となるのは、長期間使っていないものです。「いつか使うかもしれないから」といって保管しておくと、断捨離はなかなか進みません。1年以上出番がないものは、今後も使う可能性が低いので、処分に回してしまいましょう。

それでもお別れするのが寂しい時は、写真を撮影して保存するのがおすすめです。パソコンやSDカードに保存すれば、アルバムと違って保管場所も圧迫しません。「今となっては思い出さえあれば十分」という持ち物は意外と多いので、現物が必要なのかどうかをよく考えてみてください。

同じようなものを処分する

それなりに使っている持ち物であっても、断捨離した方がいい場合があります。同じようなものがいくつもあり、いくらでも代わりがきく時です。たとえば服なら、似通った色やデザインのものを1つ2つ残し、残りは処分するという方法が使えます。「これって1つあれば十分だよね」というものを探しましょう。

譲ったり売ったりする

手放すのはいいけれど、ただ捨ててしまうのはもったいない持ち物も少なくないはずです。そんな時は、引き取り手を探してみましょう。まだきれいな服や食器なら、友人や親族が喜んでもらってくれるかもしれません。価値の高いものは、リサイクルショップに売却して現金化するという方法もあります。

保管場所を変える

断捨離の結果、必要だという決断を下したものは、再び保管することになります。この時、ただ元の場所に戻すのではなく、保管場所を再考してみましょう。全体量が減っている分、スペースには余裕ができているはずです。種類別に収納し、何がしまってあるのか誰でもわかるようにしてください。

終活での断捨離は、相談しつつ適度に行うこと

断捨離を効率よく進めるためには、思い切りのよさが必要です。しかし、自分や遺族の負担を減らすという目的を忘れてはいけません。断捨離をやりすぎると、大変なことになる可能性もあります。断捨離の注意点を知っておきましょう。

重要なものは処分しない

断捨離で1番やってはいけないのは、絶対に必要なものを捨ててしまうことです。遺産相続の際に発覚し、家族が迷惑を被るケースもあります。預金通帳などのわかりやすいものはともかく、土地の権利書などはうっかり処分しないとも限りません。書類の内容は十分に確認し、少しでも判断に迷ったら家族に相談しましょう。

必要以上に処分しない

断捨離でよくある失敗例が、日用品の過剰な処分です。その後の生活を考えずに処分した結果、「服が足りなくて1週間のローテーションが組めない」「お客にお茶を出すカップが足りない」といった事態に陥るケースが実際にあります。わざわざ買い直すはめにならないよう、必要な数・量をしっかりと見積もってください。

家族や友人に相談する

断捨離は、できる限り家族や親族の協力を得て行いましょう。大量の品物を1人で整理するのは大変ですし、必要なものを処分してしまうリスクも高まります。自分の死後について話し合ういい機会でもありますから、遠慮なく家族や友人に相談してください。

まとめ:終活と断捨離はセット。少しずつ進めよう

少子化が進む現在では、遺品整理の負担も大きくなっています。仕事が忙しくて遺品整理に取りかかれず、実家が手付かずのまま放置されるケースもあるのです。あらかじめ断捨離をしておけば、家族も自分も安心して暮らせますよね。終活を始めたら少しずつ断捨離も進め、必要に応じて遺品整理業者の力も借りてください。

RELATED POST