終活

終活の進め方を解説。人生の最後を準備万端で迎える方法

終活の進め方を解説。人生の最後を準備万端で迎える方法

終活という言葉は、今や広く知られるようになりました。高齢化が進む昨今では、人生の最後について早い時期から考え、準備を進めることが大切なのです。しかし、いざ「終活しよう!」と思っても、何から始めればいいのかわからない場合も多いでしょう。ここでは、終活の基本的な内容や進め方を解説します。

終活の進め方①:家族に意思を伝える

終活において真っ先に行うべきなのは、家族に終活の意思を伝えることです。そもそも終活とは、人生の最後を穏やかに迎えるとともに、家族の負担を減らすために行うもの。何の相談もなく1人でこっそり終活を進めると、家族から不審に思われるだけではなく、大きなトラブルを生んでしまうこともあるのです。

とはいえ、いきなり「終活を始める」と家族に告げるのは、少し勇気がいりますよね。そこでまずは、「最近テレビで終活の特集やってるよね」など、日常の会話に終活の話題を織り交ぜてみてください。その上で「自分も今から準備を進めないといけないなあ」などと話しておけば、家族もきっと同意してくれるでしょう。

終活の進め方②:生前整理を始める

終活の中でも、比較的取り組みやすいのが「生前整理」です。自分の死後、家族は必ず遺品整理を行わなければなりません。亡くなった人の持ち物をずっと取っておくわけにはいきませんし、遺産相続のためにも財産を把握しておかなければならないからです。

遺品整理は大変な労力がかかることも多く、しかも仕事や家事の合間を縫って行わなければなりません。家族にとっては大きな負担となります。少子化が進む現在では、以前よりさらに負担が増していると考えるべきでしょう。そのため、生前に持ち物を整理しておく生前整理が注目されているのです。

生前整理のコツは、最初に持ち物の全容を把握すること。「今日はこの部屋を整理しよう」と決めたら、まずはその部屋にあるものをすべて出し、種類別に並べてください。その中から絶対に必要なものを仕分け、明らかに不要なものを処分し……と進めれば、効率よく整理することができます。

また、生前整理をする時は、できる限り家族や友人の力を借りることが大切です。メリットとしては以下のものがあります。

  • 大量の私物を整理する負担が減らせる
  • 大切なものをうっかり捨ててしまう可能性が低くなる
  • 思い出話をしながら楽しく整理を進められる

1人で行うよりも、明らかに効率がよくなることがわかりますね。あらかじめ家族に都合を聞いておき、生前整理の計画を立てましょう。

終活の進め方③:お墓や葬儀の準備をする

お墓や葬儀に考えるのも、終活の大切なポイントです。本人の死後、葬儀の方法やお墓の場所、埋葬形態などをめぐって遺族がもめることは珍しくありません。生前から主だった親族と相談し、希望を伝えておくことが重要なのです。以下のポイントに注目して話し合いましょう。

  • 葬儀や埋葬の形態
  • 菩提寺
  • 予算
  • 喪主
  • 墓地
  • お墓の継承者(管理者)

「自分の葬儀は身内だけで静かになってほしい」というような希望も、この段階で出しておくべきです。近年では、宗教に関わらない葬儀や、故人を明るく送り出す葬儀も注目を集めています。従来型の葬儀とは別に、「お別れ会」や「偲ぶ会」などを開催してもいいでしょう。固定観念にとらわれず、自由に判断してください

また、より重要なのがお墓の扱いです。近年では少子化が進行し、お墓の維持管理が困難になるケースが増加しています。遠方のお墓を掃除しに出かけるのは、子孫にとって大きな負担となるかもしれません。もし継承者がいなくなれば、お墓は無縁墓となって朽ち果て、いずれは撤去されてしまいます。

そこで登場したのが、納骨堂や樹木葬といった、継承を必要としない埋葬形態です。維持管理の負担がなくなるだけでなく、埋葬費用も抑えられるメリットがあります。子孫のことを考え、自分の代で墓じまいを行うという選択肢も検討してみましょう。

終活の進め方④:エンディングノートや遺言書を作る

終活の流行に伴い、広く浸透しつつあるのが「エンディングノート」の作成です。エンディングノートとは、死後に家族が困らないよう、さまざまな希望や指示を書き留めておくノートのこと。これがあれば、万が一のことがあっても家族が迷いませんし、自分自身も考えを整理することができます。主に以下の内容を記載しておきましょう。

  • 預金通帳など、重要な書類の保管場所
  • 不動産や有価証券などの資産の扱い
  • 借金や貸金の有無、金額
  • 葬儀やお墓の希望
  • 自分の訃報を知らせてほしい友人知人
  • 延命治療や臓器移植の可否
  • 死に際して打ち明けておきたいこと
  • その他、家族や友人へのメッセージ

勘違いしやすいのですが、エンディングノートは秘密の日記帳ではありません。エンディングノートを書いたものの、家族が存在を知らなかったために、実質無意味になってしまうケースもあるのです。エンディングノートを作成している事実や内容、保管場所については家族に知らせておくべきでしょう。もちろん、家族と一緒に作成しても構いません。

ところで、自分の意思を家族に伝える手段としては、遺言もありますよね。記す内容自体は、遺言状もエンディングノートも似通っていますが、両者には決定的な違いがあります。それは、法的拘束力の有無です。遺言が法的な効力を持っているのに対し、エンディングノートにはありません。つまり、個人的なメモ書きの延長に過ぎないのです。

書かれている内容を遺族に絶対に守ってほしい時は、エンディングノートではなく遺言状を作成するのが適切でしょう。遺言の作成は、一定の形式に則って行う必要があります。また、いくら遺言とはいえ、あらゆる内容が認められるわけではありません。正確な遺言状を残すためにも、弁護士に相談しながら作成するのをお勧めします。

まとめ:終活の進め方を学び、早めに行動しよう

終活を計画的に行えば、家族の負担を減らせるだけでなく、自分自身も余裕のある老後を過ごすことができます。人生最後の時はいつやってくるかわかりませんから、早めに終活を始めることが大切です。60歳を過ぎたあたりから「自分もそろそろかな」と考え、家族への相談などの準備を進めるようにしましょう。

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