終活

余命宣告を受けてからの終活とは?その心構えと具体的な活動を解説

余命宣告を受けてからの終活とは?その心構えと具体的な活動を解説

もし医者からご自身や家族の余命宣告を受けることになったら・・

皆さんはどうされるでしょうか?人間にとって「死」は恐怖でしかありません。
余命わずかという受け入れがたい現実に大きなショックを受け、自暴自棄になってしまう方もいるでしょうし、家族の余命を知った時には悲しみにつぶれてしまう方もいるでしょう。

心には計り知れないダメージを受けるはずです。

「余命宣告」を聞くと現実味のない話と感じるかもしれませんが、現在の日本人の死因の1位は男女ともに「がん」です(2位心疾患、3位が肺炎)。誰もが余命宣告を受ける可能性があるのです。

もし余命宣告を受けることになった時を想定して、余命宣告の正しい意味や余命宣告を受けた時に、終活として具体的に行わなければいけないことを説明します。

余命宣告とは?寿命との違いやその言葉の意味を解説

まず、「余命宣告」とはどういうことなのかを説明します。余命宣告は、生命に関わる深刻な病気(がんなど)に罹っている方が治癒するための治療が難しくなった時に行われます。

余命と寿命の違い

例えば「あと半年」「あと1年」と医師から余命宣告をされたとすれば、
宣告された側は「あと半年しか生きることができない」「あと1年しか生きることしかできなし」とイメージされることが多いでしょう。

しかしこれは誤った認識です。余命は残りの寿命ではなくあくまでも「目安の期間」なのです。

余命の期間はどのように決定するのか

医者が余命宣告を行う時にどのように期間を決定するかというと、患者の状況を今までの医学的なデータに基づきその「生存期間中央値」の期間を宣告します。

「生存期間中央値」とは、これは、同じ病気に罹った同様の状態の患者がどのぐらいの期間で亡くなったのかを集計し、その中の半分の方が亡くなった時の期間を示します。

もし余命が「1年」と宣告されても5年以上生存する方もいれば1か月で亡くなる方もいらっしゃいます。
余命宣告の期間は寿命ではなくあくまでも統計上の平均期間で、「余命1年」と宣告されてもその時の生存率は50%である、とご理解ください。

余命宣告の期間より長く生きることができる可能性はあります。
余命宣告を受けても自暴自棄にはならずに、(難しいことではありますが)早く状況を受け入れ、今後をどう過ごすかを考えるようにしましょう。

一般的には、宣告された余命の期間が長ければ生存する期間の誤差が大きくなり、期間が短いと誤差が小さくなります。

余命宣告を受けた時から始める終活とは その具体的な活動

では、余命宣告を受けた時から行う終活とはどのようなことを行うかについて説明します。

余命宣告を受ければ大きなショックを受けますが、家族のためにもそして自分のためにも行わなければいけないことがあります。気持ちを落ち着かせ、慌てずに対応しましょう。

保険会社に連絡をする

余命宣告を受け、治療を継続するのか自分の好きなことをするのか、いずれにしてもお金はかかりますし、家族を残している方であれば家族の今後の生活のことを考えなければいけません。

まずは加入している保険を確認し、保険会社に連絡をしましょう。

押さえておきたいリビングニーズ特約

リビングニーズ特約とは、「医師から余命6か月以内の宣告を受けた時に、死亡保険金の一部を生前に受け取ることができる」サービスです。

生前に保険金を受け取ることができれば治療費やご自身のやりたいことなどの費用に充てることができます。加入している保険にこのサービスがついているかどうかを確認し、ついていない場合は確実につけるようにしましょう。

医療や介護をどのように行うかを決定する

余命宣告を受けてどのような医療を受けるのか、また最期の時を迎える時にどこでどのような看護を受けたいのかという意思は非常に重要です。

例えばがん治療には放射線治療や重粒子治療など、保険の適用外の治療があります。経済的な事情や本人の意思を考慮してどのような治療を行うのかを決めなければいけません。

また、もし最期を迎えようとする時に延命措置を行うのかという方針や、場所は病院なのか在宅で行うのか週末ケアを行える施設なのか、ということも検討しなければいけないでしょう。

財産の把握と整理、方針の決定

残された家族のために、また今後のためにもご自身の財産はどのような物があり、それをどするのかの方針の決定は非常に重要です。

まずはご自身の財産がどこにどの程度所有しているのか目録を作り、そしてそれをどうするのかを決定しましょう。
財産は、預貯金や土地や建物といった不動産、有価証券や保険だけではなく、骨とう品や美術品、車といった換金価値のある物も含まれますのでご注意ください。

また、この際整理できるものは整理したほうがいいでしょう。
例えば、使用頻度の少ない銀行の口座を解約して他のものとまとめる、家族や親族が相続で揉めないように所有している土地や不動産を売却して現金化する、などです。

さらに、財産だけではなく借金やローンの詳細も把握し、返済可能であれば完了させる、難しいようであれば家族の存在を報告するなどして、残された家族に出来る限り迷惑をかけないようにしてください。

財産の相続や税金に関することや遺言状の作成などは、弁護士や司法書士、行政書士などの法律の専門家に相談することをおすすめします。

葬儀の生前準備を行う

人が亡くなると残された家族や親族は様々な手続きを行います。

その中の一つに葬儀があります。どこで葬儀を行うのか、どのような形式で行うのか、遺影写真はどうするのか、誰を呼ぶのか、費用はどうするのか、残された家族は、故人を失った深い悲しみの中、短期間の間に上記のことを決定し、執り行わなければいけません。

もし生前に葬儀の希望を家族に伝えていれば、また準備ができていればいざという時に家族の負担は軽減されます。

デジタルデータの処分

スマホやパソコンで利用しているインターネットやメールサービスを利用されている方は多いはずです。
もし自分が最期を迎えても放置していれば、運営会社がなくならない限り半永久的に情報が残ったりサービスを受け続けることになります。

特にそれが課金サービスだと家族に迷惑をかけます。このようなサービスの解約や退会を行う、いざという時のためにどうするのか家族にその存在と意向、アカウント名やIDやパスワードを伝えるようにしましょう。

また、中には家族にも見られたくないデータや情報をお持ちの方もいるはずです。
ご自身の死後に家族がそのようなものを見つけても言い訳はできませんし家族は裏切られた気持ちになります。そういったデータや情報は削除しましょう。

まとめ:余命宣告を受けてから行う終活について

余命宣告を受けた時、冷静でいられる方はなかなかいません。
残していく家族のこと、志半ばにしてこの世から去るという挫折感など、絶望感に押しつぶされる方も自暴自棄になる方もいるでしょうし、そのことに対しては誰も非難できません。

しかし、出来る限り早く気持ちを入れ替えて「これからの人生をどう過ごすか」を考えることが重要です。
余命はあくまでも目安です。自身の精神力や治療の取り組みによっては余命機関よりもはるかに長く生きることができます。

また、自分の最期を受け入れることができれば、ご自身のやりたいことを行う、残していく家族のために精一杯のことを行うなどと有意義に過ごすことができます。

現在の日本では誰もが余命宣告を受ける可能性があります。余命宣告を受けて早く気持ちを入れ替え前向きに終活を行うためには、元気な時から余命宣告を受ける時の状況を想定し、心の準備をした方がいいかもしれません。

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