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遺言書の書き方を解説。無効にしないためにはココに注意!

遺言書の書き方を解説。無効にしないためにはココに注意!

人生も残り少なくなった時、多くの人が心配するのは遺産相続です。家族が遺産の分配をめぐって争うのは悲しいですよね。そのような事態を防ぐために有効なのが遺言書です。

正確な遺言書を残しておけば、相続する家族の負担を大きく減らし、トラブルも予防することができます。ここでは、遺言書のメリットや正しい書き方について見ていきましょう。

遺言書の書き方1:遺言書の効力と書ける内容

遺言書は、書いた人の死後に法的な効力を発揮する文書のことです。法律上は「いごん」と呼ばれます。遺産相続など、死後に発生する手続きについては、自分が直接関わることはできません。

でも、あらかじめ遺言を残しておけば、自分の意思を反映させることができるのです。トラブルを回避するためにも、積極的に遺言を残しておくといいでしょう。

ただし、遺言書に書いたからといって、あらゆる内容が法的な効力を帯びるわけではありません。法的な効力を発揮できるのは、民法で定められた項目に限られます。
その多くは、遺産相続に関するものです。遺言で法的な効力を発揮できる、主な項目を紹介しましょう。

相続分の指定

遺産分割の割合を指定することです。
「妻に3分の1、長男に4分の1」というように、相続人がそれぞれいくらもらうのかを決めることができます。
ただし、「遺留分」という決まりがあるため、100%思い通りになるわけではありません(詳しくは後述)。

相続人の廃除

指定した人を相続の対象から外すことができます。
親への虐待など、相応の理由が必要となるため、認められるケースはそれほど多くありません。

遺産分割方法の指定

「長男には会社を継がせ、次男には財産を譲る」など、遺産分割の具体的な内容を指定することができます。相続分の指定と同様、100%思い通りになるわけではありません。

遺贈

法定相続人(民法で定められた相続の権利がある人。配偶者や子など)以外の人に、遺産を譲ることができます。

子の認知

子を認知して、法律上の親子関係になることができます。

祭祀主宰者の指定

喪主を指定することができます。

遺言書の書き方2:遺言書の種類

遺言書には、大きく分けると「普通方式遺言」と「特別方式遺言」があります。
特別方式遺言は、病気や船舶事故で死が迫っている状況で作成するもので、あまり一般的ではありません。単に「遺言書」といった場合、多くは普通方式遺言を指します。
普通方式遺言はさらに3種類に分けられるので、それぞれの特徴を知っておきましょう。

自筆証書遺言

自分自身で作成する遺言書です。全文が遺言者の自筆であること、日付と氏名が記載されていること、押印してあることの3点を満たせば、遺言書として認められます。効力を発揮させるためには、保管者が死後に家庭裁判所へ提出し、検認を受けなければなりません。また、ミスがないよう十分に注意する必要があります。

公正証書遺言

「公証役場」へ行き、公証人に作成してもらう遺言書です。原本は公証役場に保管され、遺言者には保管用の遺言書が交付されます。
証人2名と手数料が必要なので手間はかかりますが、正しい遺言書を確実に残せるのが大きなメリットです。死後の検認も必要ありません。重要な内容なら、公正証書遺言を作ることをおすすめします。

秘密証書遺言

こちらも公証役場で作成する遺言書ですが、公証人には遺言の内容が知らされません。
遺言書は封をした状態で返却され、遺言者が保管することになります。

誰にも内容を知られることなく信頼性を高められるのがメリットです。
ただし、家族が存在を知らなければ無意味になってしまう点は、自筆証書遺言と変わりません。

遺言書の書き方3:遺言書のメリット

遺言書を作成すると、以下のようなメリットが得られます。

家族の争いを防げる

誰がいくらの遺産を受け取るかは、法定相続人同士の話し合いで決めるのが原則です(遺産分割協議)。
そのため、遺産の取り分をめぐって家族や親族が争うことは珍しくありません。
遺言書で相続分を指定しておけば、家族の争いを防ぐことができます。

また、相続人の人数が多いと、意見がまとまらず結論が出せないことも多いでしょう。
協議のために何度も集まる負担も小さくないはずです。
遺言書による相続分の指定には、このような協議の手間を省き、家族の負担を減らす意味合いもあります。

法定相続人以外に遺産を相続できる

法定相続人になれる可能性があるのは、配偶者と血縁者のみです。
子の配偶者や内縁の夫・妻は、通常だと相続の対象となりません。

どれだけ世話になっていても、何もせずにいると相続の対象から外れてしまうのです。
遺言書で指定すれば、これらの人も相続人になることができます。

なお、法定相続人が1人もいない場合、遺産は国庫に入ります。国に丸々持っていかれるのは不満だという人は、誰かに遺産を譲れないか検討してみましょう。
友人やお世話になった人はもちろん、福祉団体などに遺贈することも可能です。

問題のある人を廃除できる

血を分けた肉親であっても、遺産を相続させたくないケースはありえます。
被相続人を虐待していた場合や、犯罪組織に所属している場合などです。
このような相続人を遺言書で廃除しておけば、大切な財産を渡さずにすみます。

婚外子の認知ができる

認知していない子は、法律上の親子関係がないため、遺産相続の対象となりません。
婚外子の存在をうやむやにしたまま親が亡くなると、その子は遺産を相続できないだけでなく、さまざまな不利益が生じてしまいます。万が一の時に備え、遺言書で認知をしておきましょう。

遺言書の書き方4:無効になるケース

自筆証書遺言は自分で簡単に作れる分、トラブルも発生しやすいことに注意しなければなりません。
1つでもミスがあると効力を発揮しなくなるため、すみずみまで確認する必要があります。
遺言書が無効になるケースを以下に紹介するので、自分に当てはまらないかチェックしてみましょう。

パソコンやワープロで作成した

自筆証書遺言は、その名の通り手書きである必要があります。大切な書類だからといって、パソコンで作らないようにしてください。

本人以外が作成した

自筆証書遺言は、すべての文章を遺言者が書く必要があります。代筆を頼んだ場合はもちろん、たった1ヶ所を他人が書いただけでも無効になってしまうのです。

形式を守っていない

日付・氏名・押印の3つがそろっていなければ、遺言書は法的な効果を発揮しません。うっかり書き忘れないようにしましょう。

遺言能力がなかった

遺言を作成できるのは、満15歳以上になってからです。
また、認知症や精神障害、薬物など影響で判断能力が低下している場合も、遺言能力が認められないケースがあります。事前に病院で検査を受け、判断能力を認める診断書を出してもらうといいでしょう。

遺留分を下回っていた

法定相続人には、遺産の最低限の取り分が決められており、これを遺留分といいます。配偶者と子が2人いるなら、それぞれ遺産の4分の1が遺留分です。

これより低い割合を遺言書で指定しても、相続人が遺留分を主張すれば、そちらが優先されるのです。「長男とは仲が悪かったから10分の1だけ」というような遺言は、まず受け入れられません。

開封してしまった

自筆証書遺言は、家庭裁判所で検認後に開封することで、初めて効力を発揮します。それ以前に開封すると、無効になってしまうのです。
家族には絶対に開封しないよう伝えるべきですが、気になって中身を見てしまう人がいるかもしれません。必要なら、貸し金庫に預けるなどの対策を取りましょう。

存在を知らなかった

ある意味では最大の落とし穴が、遺言書の存在を家族が知らないことです。
「見られるのが嫌だから」といって遺言書を隠していると、存在を伝え忘れたまま亡くなってしまう事態もありえます。

相続をすませてから遺言書が発見され、トラブルになるケースも実際に発生しているのです。最低限、遺言書を作成した事実は家族に伝えておきましょう。

公正証書遺言でも無効になる?

公正証書遺言は、公証役場で作成・保存してもらう関係上、これまで紹介したような問題が発生することはまずありません。

例外は、遺言者に判断能力がなかった場合です。
公証人は医師ではありませんから、遺言者の判断能力までは保証してくれません。
万全を期すなら、やはり事前に検査を受けておきましょう。

まとめ:遺言書の書き方を守れば、大切な人に遺産を譲れる

遺言書は、大きな財産を持っている人が残すものと思われがちです。
しかし実際には、遺産相続のトラブルを防ぐために、多くの人が遺言書を活用しています。
書き方そのものは決して難しくないので、万が一の特に備えて遺言書を作成してみましょう。
可能であれば公正証書遺言を作り、より確実に自分の遺志を反映させてください。


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