最近は、終活の資格が人気になっています。
その背景には、日本の高齢化に拍車がかかっていることや、おひとりさまの数が増えていることなどがあります。
自分自身のために終活を学ぶ必要性を感じている人や、終活の知識を身につけて困っている人を助けてあげたいという人が、資格の取得を目指しているのだと思います。
現在、多くの団体が終活関連の資格を発行していますが、すべて民間資格であり、終活の国家資格というのは存在しません。
そのため、どの資格も取得のための難易度はそれほど高くなく、セミナーを受講したり通信講座を受けたりすることによって、ほぼ確実に合格できます。
ここでは、これから終活の資格を取得しようとする人が、通信教育によって学ぶ方法とセミナーに参加する方法の、どちらを選択すべきかについて、メリットとデメリットなどを考えてみたいと思います。
終活の通信講座とセミナーでどちらが多く費用がかかるか?
終活の資格を取得するためには、主に通信講座を受講する方法とセミナーに出席する方法の2種類があります。
資格を取得するための費用をトータルで考えた場合、どちらがお得なのでしょうか?
受講料だけで比較した場合はセミナーの方が安い
セミナーを受講することで取得できる終活の資格には、終活カウンセラーと終活ガイドがあります。
終活ガイドのセミナー受講料は5,000円(税込み)で、終活カウンセラー初級の受講料は9,970円となっています。
それに対して、通信講座の場合、ユーキャンの終活アドバイザーが35,000円、キャリアカレッジの終活ライフケアプランナーが27,000円、終活協議会の終活ガイド上級が50,000円となっています。
これらの受講料を単純に比較した場合、セミナーの方が費用的には安いということがいえます。
自宅で学べる通信教育と会場までの交通費や宿泊費などが発生するセミナー
受講料だけで比較した場合、セミナーの方が安くなることがお分かりになったかと思いますが、トータルの費用で考えた場合は単純にセミナーの方が安いとはいい切れません。
なぜなら、セミナーの場合は会場まで足を運ばなければなりませんので、開催場所までの交通費が発生します。
終活ガイドも終活カウンセラーも、セミナーそのものは全国で行われているようですが、集客の関係上、開催場所はどうしてもある程度の人口の多い場所に限られます。
そのため、住んでいる地域によっては、交通費だけではなく宿泊費などが発生するケースもあるでしょう。
そういった方の場合は、たとえセミナーの受講料そのものは安くても、交通費や宿泊を含めたトータルで考えた場合、単純にセミナーの方が安上がりになるとはいえなくなります。
また、セミナーの開催日に仕事を休まなければならないような人の場合、仕事を休むことによる収入の損失も考慮にいれなければなりません。
逆に、自分の住んでいる場所が会場のすぐ近くで、会社が休みの日に参加できるような人であれば、圧倒的にセミナーの方が安く上がることになります。
セミナーと通信講座で学びやすいのはどちら?
終活の資格を取るための方法としてセミナーと通信講座を比較した場合、費用的には単純にどちらがお得かになるかを判断することはできないということが分かりましたが、それでは学びやすさでくらべた場合はどうでしょうか?
終活に関する知識を深く学べるのは通信教育
セミナーで終活の資格を取得することの大きなメリットの1つとして、たった1日セミナーに参加するだけで資格を取得できるということがあげられます。
しかし、逆にいうと、たった1日で学ぶことのできる知識には限りがあるますので、それほど深く学ぶことができないというデメリットが生じます。
終活カウンセラーの場合は、学習時間はわずか6時間です。
終活ガイドの場合は、さらにその半分の3時間です。
終活の専門家として学ぶべきことはたくさんあります。
エンディングノートに関することや、相続、成年後見人、身元保証、遺言書、お墓、葬儀などなど、終活の有資格者として知っておかなければならない知識というのは膨大なものになります。
それらの知識を、3時間とか6時間のセミナーで本格的に学ぶことは不可能です。
1日のセミナーで学ぶことができるのは、終活の大まかな概略にすぎません。
それに対して通信教育であれば、学ぶ時間に半日とか1日といった制限がありませんので、じっくりと学ぶことが可能になります。
通信教育なら何度でも繰り返し復習できるがセミナーだと忘れる?
じっくりと深い知識を身につけたいということであれば、セミナーよりは通信教育の方が圧倒的に有利ですが、通信教育のメリットはそれだけではありません。
何度でも繰り返し復習ができるという点も、通信教育の大きなメリットです。
人間の記憶力というのは、思っている以上に良くありません。
有名なエビングハウスの忘却曲線によると、人間は一度覚えたことであっても、1日たつと67%も忘れてしまうそうです。
つまり、せっかくセミナーを受けても、翌日に記憶に残っているのはわずか3割ちょっとということになります。
学校の先生が、「復習をしなさい」と口を酸っぱくしていうのは、復習をしないと人間というのはものすごい勢いで忘れてしまうからなのです。
ですから、学んだ終活の知識をしっかりと定着させるという意味においては、セミナーよりもじっくりと復習が可能な通信教育が有利ということになります。
意思の弱い人でも終活の資格取得が可能なセミナー
終活の知識を深く学んだり、何度も繰り返し学習をしたりことができるという点では、通信教育が有利であることが分かりましたが、そんな通信教育にも大きなデメリットがあります。
それは、たった一人での学習となるために、意思の弱い人だと勉強を継続することが困難になるということです。
実際、ある大手の通信教育会社では、すべての課題を終えて終了証を手にすることのできる人の割合は、10%だそうです。
つまり、9割の人は通信教育のカリキュラムを終えることができずに、挫折をしてしまうということです。
それほど、能動的に自分から進んでコツコツと勉強を続けるということは、ハードルが高いのです。
それに対してセミナーの場合は、決められた時間だけ講師の話を受動的に聞くだけなので、挫折をする人はまずいませんし、参加者はほぼ確実に終活の資格を手にすることができるということになります。
効率よく終活の資格を取得できるのはどちらか?
終活の資格をとるために、セミナーと通信教育でどちらがいいかを費用面や学びやすさで比較をしてきましたが、最後に、どちらが効率よく資格を取得できるかについて考えてみたいと思います。
セミナーの場合は開催日まで待つ必要があります
「鉄は熱いうちに打て」ということわざがある通り、終活の資格を取得したいと思ったら、なるべく早く行動に移したいものです。
しかし、セミナーの場合は、開催日時をこちらで指定することはできません。
自分の住んでいる近くでセミナーが開催されるまで、1ヵ月以上も待たされることもあるでしょうし、その時間が無駄になってしまいます。
頻繁にセミナーが行われる大都市の会場まで足を運べばそれほど長い間待つ必要はないかも知れませんが、交通費や宿泊費などで出費がかさんでしまう可能性があります。
通信講座の場合、申し込みをすれば数日後には教材が届きますので、まさに「鉄が熱い」状態のときに終活の学習を進めることができます。
しかし、先ほども書きましたように、通信講座の場合は自分一人だけで孤独な勉強を続けなければならないために、「鉄が熱い」状態を終了まで維持できるかどうかがポイントになります。
通信教育なら空いた時間にいつでも終活の勉強ができる
通信教育の最大のメリットは、時間に縛られずに学習ができるという点にあります。
主婦の方が家事の合間に毎日30分程度の時間を確保して勉強することもできますし、サラリーマンの方が、毎朝30分だけ早起きして勉強時間にあてるということも可能です。
セミナーのように、勉強する時間を主催者側の都合に合わせる必要はありませんし、会場まで移動するための時間的なロスもありません。
自分自身の都合に合わせて、いつでもどこでも終活の勉強ができるのが通信教育の特徴です。
しかし、あまりにも自由すぎて、途中で継続できなくなってしまう人も少なくありませんので、注意が必要です。
強制的に勉強する時間をしばられないと挫折してしまいそうな人は、セミナーの方が向いているかも知れません。
終活の資格を取得するにあたっては、自分自身の性格やライフスタイルなどを考慮して、セミナーにすべきか通信教育にすべきかを慎重に考えるようにした方がいいでしょう。
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