経済的な理由から、葬儀にさほどお金をかけたくないと考えている人は多いと言われています。そういう人は、家族葬を選ぶケースが増えているようです。たしかに家族葬は一般葬に比べて葬儀費用を抑えられますが、家族葬がどのような形式の葬儀なのかをよく知っている人はまだ少ないのではないでしょうか。
そこで、家族葬がどのような形式の葬儀なのか、またそのメリットやデメリット、注意点などについて解説します。
葬儀を家族葬で行うメリット
葬儀を家族葬で行うメリット場合のメリットについて解説します。
安価な葬儀費用で済ますことができる
葬儀を家族葬で行う最大のメリットは、なんといっても安価な葬儀費用で済ますことができるという点です。家族葬の大きな特徴の一つが、参列者を少人数に絞った葬儀であることです。そのため、参列者のための通夜振る舞いや香典返しに必要な費用を低く抑えることができ、葬儀費用全体も安価で済ませることができるというわけです。
葬儀の規模が小さいため準備の手間が少なくて済む
参列者が少ない場合、葬儀の規模自体も小さくて済むため葬儀の準備の手間も少なくて済みます。遺族や親族などごく身近な人達だけによる葬儀であるため、気遣いも少なくて済み弔問客への対応も負担が小さくできます。
落ち着いてゆっくりと故人へのお別れができる
遺族の立場からすると、故人との最後のお別れは落ち着いて行いたいと思うものです。ところが、故人に生前多くの知人や友人がいた場合、一般葬だと参列者が多くなる可能性が高く、そのような遺族の希望はかなえられないでしょう。
その点、家族葬は参列者が少なく、静かにゆっくりと故人とのお別れをすることができます。
葬儀を家族葬で行うデメリット
葬儀を家族葬で行うメリット場合のデメリットについて解説します。
想定外の弔問客が訪れた場合の対応に追われる
一般葬の場合、予想される参列者にあらかじめ連絡しているため、想定していない弔問客が訪れて来ることは少ないでしょう。一方、家族葬の場合、近親者だけによる葬儀のため想定外の弔問客がやってくる可能性があります。
そのような状況では、香典に対するお返しの引き出物を急いで手配するなど、あわただしく対応に追われることになるでしょう。そうなると、故人との落ち着いたお別れができなくなり、不本意な葬儀になってしまいます。
親族が家族葬に反対だった場合の対応に苦慮
遺族は家族葬によるこじんまりとした葬儀を望んでいても、親族の中には、一般葬で盛大に弔いたいと思う人もいるかもしれません。家族葬の場合、そのような親族への不満を解消する対応に追われることもあるでしょう。
故人の知人が葬儀後に不満を漏らすことへの対応に苦慮
故人が生前懇意にしていた知人が、家族葬とは知らずに「葬儀に呼んで欲しかった」と不満を述べる状況が考えられます。
家族葬を行う際の注意点
家族葬は、遺族や親族などごく身内だけの葬儀であるため、参列者への気遣いなどの負担が少なくなる反面、気を抜いて思わぬトラブルを引き起こすケースがあります。ここでは家族葬だからこそ注意すべき点について解説します。
連絡しなかった知人へ家族葬だったことを伝える
故人の知人が、葬儀後に呼んでくれなかったことへの不満を募らせる場合があります。彼らには、家族葬を行い身内だけの葬儀だったことを丁寧に伝える必要があります。そうした知人たちとのこれからの関係を良好なものにするためにも、そのような細かい気遣いは必要です。
連絡しなかった知人には香典も受理しないことを伝える
葬儀に参列したかったと不満を募らせている知人に対しては、故人を家族葬で弔ったので会葬や弔問を辞退し香典も受理しないことを伝えましょう。
葬儀社に希望する家族葬の具体的なイメージを伝える
家族葬だから、地味にひっそり行わなければならないと考える必要はありません。身内だけで行う葬儀だからこそ、自由に故人へのはなむけの意味も込めて、故人が好きだった曲、例えばジャズやポップスなどで送ってあげるなどの趣向を凝らすのもよいでしょう。
そのような要望があれば、葬儀社にしっかり伝えて希望通りの家族葬にすることをおすすめします。もちろん、家族葬である以上、葬儀費用を低く抑えることを前提にしたものにすることは当然ですが。
家族葬のメリット・デメリットまとめ
家族葬で故人を弔いたいと考える遺族の事情はさまざまですが、もっとも多い理由としては何と言っても葬儀費用を低く抑えたいとことでしょう。とはいえ、葬儀の形式自体は通夜、葬式、告別式が行われ、一般葬と変わりはありません。
一方、故人を楽しく送り出してあげたいと思い、種々の趣向を凝らした葬儀にもしたいという遺族の気持ちも叶えたいところです。そのためには、葬儀社の協力が欠かせません。どの形式の葬儀を選ぶにしても、よい葬儀社のどのように選ぶかは重要なポイントですが、家族葬こそ、特に慎重に選ぶ必要があるでしょう。