結婚式というのは、相手がいないとできないと誰もが思っている違いありません。
古今東西、結婚して夫婦となった2人の門出を祝うというのが結婚式だからです。
ところが最近では、おひとりさま女子の間で、ソロウェディングなるものが人気になっているようです。
ソロウェディングとは、文字通り1人で行う結婚式のことです。
「結婚をする予定はないけれども、一生に一度はウェディングドレスを着てみたい」
そんなふうに考えている女性は少なくないでしょう。
そういったおひとりさま女子の心理を巧みに突いた新しいビジネスが、ソロウェディングといえそうです。
フォトスタジオが主催のソロウェディング
ソロウェディングを主催しているのは、主にフォトスタジオや旅行会社・ホテルなどです。
フォトスタジオというと、七五三や成人式の写真撮影をイメージする人も多いと思います。
しかし、少子化の影響でターゲット層が減ってきていることもあり、おひとりさま女子を被写体とすべく目を向けたのでしょう。
ヘアメイクをしたうえでウェディングドレスや白無垢を着て、まさにリアルな結婚式のときに行うのと同じクオリティで写真を撮影します。
結婚式をせずに写真だけを撮影する「フォトウェディング」というものがありますが、それのおひとりさまバージョンということがいえそうです。
2人で撮影するか1人で撮影するかの違いだけです。
旅行会社やホテルが主催のものはかなり本格的
旅行会社やホテルが主催するソロウェディングは、かなり本格的です。
ウェディングドレスや白無垢での写真撮影はもちろんのこと、ディナーや宿泊までがセットになっていたりします。
プランによっては、スイートルームに宿泊することができたり、披露宴がセットになっていたりするものもあるようです。
また、新郎役のモデルさんと2人そろって撮影ができるというユニークなサービスを提供しているところもあります。
2人そろってチャペルなどで撮影をすれば、まさに本当の結婚式のような写真や思い出を残すことができるでしょう。
ちなみに、ブーケトスなども行われたりするようですが、おひとりさまが投げたブーケを受け取ってしまった人の運命はどうなるのでしょうか?
ソロウェディングの費用はどれくらいかかる?
ソロウェディングに興味のあるおひとりさまの女性にとって気になるのは、どれくらいの費用がかかるのかという点だと思います。
やり方によって、実際にかかる費用はまさにピンからキリで、フォトスタジオで写真撮影だけをする場合には、数万円程度で済ませることも可能です。
かなり本格的な写真撮影をしたとしても、15万円程度におさまるでしょう。
成人式の前撮りで、フォトスタジオに支払う料金をイメージしてもらえばいいと思います。
それに対して、旅行会社やホテルが主催のソロウェディングの場合は、それなりの費用が発生します。
宿泊やディナーなどを含む本格的な内容になってきますので、費用的には20万円~40万円程度になってしまうのが普通です。
披露宴やパーティなどを行うときには、それらの費用は別途で発生することになります。
ただし、披露宴を行うときには、祝儀をいただくことになりますので、その分である程度の費用はまかなえることになるでしょう。
なぜ「おひとりさま女子」が挙式をあげるのか?
そもそも、なぜソロウェディングをする人が増えているのか不思議に思う人もいるに違いありません。
確かに、冒頭にも書きましたように、「結婚をする予定はないけれども、一生に一度はウェディングドレスを着てみたい」と考える女性は少なくないのでしょう。
結婚をするとかしないとかにかかわらず、ウェディングドレスに特別な思いを抱いている女性は多いからです。
しかし、ソロウェディングを実施する理由はそればかりではないようです。
自分を生み育ててくれた母親への恩返しの意味も含めて、ソロウェディングをして母娘旅行に出かけて思い出作りをしたいという人もいます。
また、将来結婚するかどうかは分からないけれども、とりあえず若くてきれいなうちにウェディングドレスを着た姿を残しておきたいといった理由の人もいるようです。
あるいは、単純にインスタ映えのする写真を撮影したいといった理由の人もいます。
ソロウェディングを行う人は、独身の女性ばかりではありません。
既婚者で、過去に立派な結婚式を挙げたにもかかわらず、ソロウェディングを行う女性もいるのです。
結婚式のときのドレスは自分が気に入ったものではなかったので、もう一度気に入ったウェディングドレスで写真を撮影してみたいという理由で、ソロウェディングをする既婚者もいます。
あるいは、結婚式のときにはウェディングドレスだけだったので、白無垢姿の写真も撮影してみたいといった理由です。
理由はさまざまですが、実際にソロウェディングを行った女性たちの満足度はかなり高いようです。
なかには、ドレスを変えて何度も何度もソロウェディングを行う、リピーターの人もいるようです。
ソロウェディングで披露宴までやるのは賛否両論があります
おひとりさまの女性が、一生の思い出のためにウェディングドレスを着てみたいという思いは自然なことですし、ソロウェディングそのものが批判される理由はないと思います。
しかし、披露宴やパーティまでやるとなると話は別です。
披露宴に招待される人からすれば、迷惑に感じる人も少なくないからです。
披露宴やパーティに参加するということになれば、手ぶらではいけません。
本当の結婚式と同じであるという考え方をするのであれば、ソロウェディングの披露宴であっても祝儀袋に入れる金額は最低3万円ということになります。
最近は、本当の結婚式であっても、祝儀を渡すのがもったいなくて披露宴を辞退する若者がいるご時世です。
ましてや、自分の思い出作りのためだけに行うソロウェディングのために、本当の結婚式なみのご祝儀を負担させるというのは考えものでしょう。
そもそも、ご祝儀というのはお祝い事があったときに持参すべきものです。
ソロウェディングというのは、実際に結婚をするわけではありませんので、厳密にはお祝い事ではありません。
しかし、ソロウェディングで披露宴を行う人にも言い分はあります。
これまで友達の結婚式の披露宴に出席するたびに払い続けてきたご祝儀を、ソロウェディングで回収するという発想です。
たしかに、おひとりさまの場合、結婚式のご祝儀は一方的に出て行くばかりです。
1人3万円としても、10人の友達の披露宴に参加をしていれば、30万円もの金額を出費しているわけです。
その分を、ソロウェディングのときに返してもらうという考え方ですから、自分が結婚式に呼ばれた友人を呼ぶのであればそれほど反発はないでしょう。
しかし、ソロウェディングの披露宴に会社の上司や同僚まで呼ぶとなると、反発を招く可能性は高いといえるでしょう。
きれいなウェディングドレスを着た姿を1人でも多くの人に見てもらいたいという気持ちは分からなくもありません。
しかし、ごく親しい友人以外の人をソロウェディングの披露宴に呼ぶというのは、よく考えてから判断したほうがよさそうです。