生前整理は断捨離を積極的に取り入れることで楽に実践できる！

還暦を過ぎ、残りの人生を振り返る年齢を迎えると、誰しも自分の死後のことが気がかりになるのではないでしょうか。「生前整理」という言葉が注目を集めるようになったのも、そのように考える人が多くなった表れかもしれません。

いっぽう、「断捨離」という言葉も昨今、注目されています。こちらは、若い人にも受け入れられる言葉で、「不要なものはできるだけ持たないようにすることで楽に生きられる」という考え方に、共感が集まっているようです。

そこで、今回は「断捨離」という考え方を積極的に取り入れながら、「生前整理」をうまく実践するコツについて、解説します。

生前整理は家族にも自分にとっても重要

生前整理は、第一に残された家族のために重要ですし、自分にとっても重要です。その理由について、説明します。

家族のために重要である理由

人は、生きているときにはさまざまな社会的な関係性の中で生活しています。例えば、国籍があり戸籍を持ち税金を払い、住居を持ち仕事をして収入を得ているでしょう。また、結婚をし子供を持ち貯蓄して保険にも入っていたりするかもしれません。

しかし、こうした社会的な関係性は、死後には一つ一つ解除して行く必要があり、そのためのもろもろの手続きは煩雑を極め、残された家族にとっては大変な負担となることでしょう。種々の手続きに関する書類の作成のための資料やデータを探したり集めたりするだけで、かなりの時間と労力が必要になります。

残された家族は、あなたの死という悲しい現実を受け入れるだけでも辛い状況にあるのにです。ですから、生前整理を実践し生きている間に自分に関する情報やデータなどを整理することで、家族の負担をできる限り減らしてあげることが重要です。

自分にとっても重要である理由

生前整理については、自分が他者との繋がりを持つために交わしている契約など、社会的な関係性を維持するためのさまざまな手続きに関連した事柄を、自分の死後どうするかが最も重要なポイントになります。

しかし、それ以外でも自分が所有している書籍類や衣類、コレクター類、その他、日用品など自分の身の周りに置かれている品々も生前整理の対象として考える必要があるでしょう。確かにそのような品々は、あれば安心感が得られるものですが、気が付けば同じような機能のものがいくつもあり、そのせいで居住空間が圧迫されて暮らし難くなっているケースもあります。

なにより、物が溢れかえっていると部屋が乱雑になり、気持ちが乱れたり落ち着かなくなったりする原因にもなりかねません。そこで、本当に自分にとって必要であるかどうかを吟味して仕分けし、不要なものは潔く捨てることが、精神衛生上とても大切です。

つまり、生前整理をして自分の身辺を片付けることは、自分にとっても重要だと言えるでしょう。